The Last Samurai
2004年2月18日 映画
やっと行ってきましたよ〜ラストサムライ。日本で有名な話かどうか知らないけど、これ、ほとんどニュージーランド撮影。
ちょうど1年前の去年の1月から、タラナキという、オークランドから時速120キロでぶっ飛ばして約7時間のところで、撮影が始まりました。
なぜタラナキかというと、タラナキ山が、非常に珍しいことに、富士山とそっくりの左右対称なきれいな山だから。
さらに、物価が日本より安いから撮影がずっと簡単なこと、そして日本の富士山の周りにはもはやあんなに広々としたスペースはないから、事実上富士山のまわりでの撮影は不可能なことから、ニュージーランドが選らばえたとのこと。
たしかに、タラナキ山のまわりなんて、何にもなかったからな…ぽつんぽつんとある牧場以外は。
そんなわけで、撮影の数ヶ月前から、ニュージーランドの日本語新聞やら月刊誌なんかで、大々的にエキストラの募集をやっていて、私もやる気満々だった。
まず、こんな面白そうなチャンス滅多にない。
そして、2.3ヶ月拘束されても問題ないという環境に自分がいることが珍しい。
更にお金がいい。
最初の募集の段階では、週給US$400+諸手当$150+ご飯と宿泊つきだった。確か、村人250人+兵士1000人の募集。
ところが、思ったより全然日本人が集まらなかったらしく、給料が倍のUS$800に値上げされた。と、いうことは、たった一ヶ月でもUS$3800!ももらえて、食う寝るつきなんて最高じゃないですか!
たった3ヶ月でUS$11,400、さすがハリウッド、金遣いがちが〜う!
それがあえなく挫折したのは、去年の2月に結婚式をすることにしてたから。撮影は1月末から始まって、4月頃までということで、その間もちろんタラナキをはなれることはできない。私がNZの大学卒業した12月のあと、NZの夏の間に結婚式をすることにしていたから、どうしても無理だったのだ…。
そうでなければ、絶対行ってました。
そういうわけで、あの戦いのシーンの群衆のなかには、友達数名と、ただ知ってる程度の人も入れれば、結構な人数の知合いが写っていたはず。もちろんエキストラだから、どこにいるかなんてわからないけどね…
* * * * * * * * * * * * * *
やっと内容に移ろう。
まず、思った以上にけんちゃんの英語がうまかった。
トムの日本語よりはるかに…
そして、けんちゃんや真田広之が、日本人が見ておかしくないよう、いっぱい口を出したという意味がわかりました。
日本でこれを見た人は、日本では当たり前な、時代劇なんかで比較的馴染み深いシーンについて、何の違和感もなかっただろう。
でも、ハリウッド映画が、日本人からみて、こうやってそれほど違和感がない様にできたというのは、実は驚くべきことなのだ。
日本人は気づきにくいかもしれないが、トムがサムライと会って、その世界に驚く姿は、”先進国”がインディアンや、未開のアフリカ民族やに出会って驚く、要するにウルルン滞在記的な驚きや興味と一緒なのだ。今回は、日本人がその対象なだけで。
そういうわけで、ハリウッド(西洋文化)側からすれば、サムライとか武士道とかいうものは、結局は博物学的な対象でしかないし、彼らなりの解釈で作った場合、うちらにはB級映画も真っ青の代物になること間違いなかったと思う。こちらで日本ぽいものが何かしら出てくる映画を見るたび、もう失笑というか、苦笑というか、嘲笑というか、とにかく笑うしかないというものに出会うことが、あまりに多いことを考えると。
そう考えると、ハリウッド映画なのにもかかわらず、あそこまでちゃんとした、失笑なしにこの国で見られた映画だったということにまず感動した。
けんちゃんも真田広之もよかったし…
トムも、だいぶ練習したとあって、マトリックスのキアヌの空手モドキよりはずっとよかった。
セリフでどうしても納得いかなかったのが1つ。
日本ではもちろん英語部分に字幕がついて、日本語はそのままなんだろうけど、こっちでは当然英語がそのままで、日本語に字幕がつく。
けんちゃんが、最後の戦いの前に、天皇の前を退出させられた後、身柄を拘束されて、切腹をすすめられるシーンがある。日本語では、これを使って腹きりすれば、みたいなセリフだった(確か)けど、この英語字幕が”Save our time”だったのが絶対おかしい!
”Save our time”-「私たちの時間を節約してくれ」、即ちこっちに面倒かけないで、勝手に死んでくれ、という英語訳なんだけど、おかしいでしょ、それは!
基本的に切腹させてくれるというのは名誉なことなわけで、そうでなければ、身柄を拘束してる人に武器になる刀を渡すなんて危険なことするはずがないのに、それで勝手に死ね、なんてセリフでいいの?
それ以外は、日本文化について、日本の剣や武道が、戦いのためのモノだけじゃなくて、精神のためのものなんだよ、ということがちゃんと描かれていてとてもよかった。
ガイジンで柔道や剣道をやってる人に是非見て欲しいかも。
あと一点、仕方がないんだけど、外の風景が、私たちには、どうしてもタラナキだった…あのNZ特有のシダがね…
NZの山の風景は時々ほんとに日本にそっくりなことがあるが、常々違うと思うのがシダ。NZはシダで有名で、オールブラックスの胸についている羽のようなシルバーファーンもNZを代表する裏が銀色に光るシダ。
NZのシダは、日本と違って、やしの木のように上に向かって伸びるので木々の間からにょきにょき生えている。
まだ見てない人は、あちこちに山のシーンで、写りまくりのシダを見てみて下さい。あれが、冬の気温があまり下がらないNZと、日本の自然の違いの、一番目立つ証拠かも。
[追記]
あとどうしてももう一点!
どうして日本人女性が出てくるアメリカ映画では、必ずと言っていいほど日本人女性に、男の服を脱がさせずにはいられないんだろう…
これだけは、アメリカ人の幻想なんだと思います。日本女性は男の服をああして丁寧に脱がせてくれるという…
あまりにも、日本人女性×ガイジン男性のそういうシーンがある場合は、100%に近く女が男を脱がすので、今回はHシーンではなく鎧をつけさせるためだったにせよ、小雪がトムを脱がせ始めた時に、だんなと2人で「やっぱりかーーーっっ」とのけぞってしまいました…ほんとに100%だな…
ちょうど1年前の去年の1月から、タラナキという、オークランドから時速120キロでぶっ飛ばして約7時間のところで、撮影が始まりました。
なぜタラナキかというと、タラナキ山が、非常に珍しいことに、富士山とそっくりの左右対称なきれいな山だから。
さらに、物価が日本より安いから撮影がずっと簡単なこと、そして日本の富士山の周りにはもはやあんなに広々としたスペースはないから、事実上富士山のまわりでの撮影は不可能なことから、ニュージーランドが選らばえたとのこと。
たしかに、タラナキ山のまわりなんて、何にもなかったからな…ぽつんぽつんとある牧場以外は。
そんなわけで、撮影の数ヶ月前から、ニュージーランドの日本語新聞やら月刊誌なんかで、大々的にエキストラの募集をやっていて、私もやる気満々だった。
まず、こんな面白そうなチャンス滅多にない。
そして、2.3ヶ月拘束されても問題ないという環境に自分がいることが珍しい。
更にお金がいい。
最初の募集の段階では、週給US$400+諸手当$150+ご飯と宿泊つきだった。確か、村人250人+兵士1000人の募集。
ところが、思ったより全然日本人が集まらなかったらしく、給料が倍のUS$800に値上げされた。と、いうことは、たった一ヶ月でもUS$3800!ももらえて、食う寝るつきなんて最高じゃないですか!
たった3ヶ月でUS$11,400、さすがハリウッド、金遣いがちが〜う!
それがあえなく挫折したのは、去年の2月に結婚式をすることにしてたから。撮影は1月末から始まって、4月頃までということで、その間もちろんタラナキをはなれることはできない。私がNZの大学卒業した12月のあと、NZの夏の間に結婚式をすることにしていたから、どうしても無理だったのだ…。
そうでなければ、絶対行ってました。
そういうわけで、あの戦いのシーンの群衆のなかには、友達数名と、ただ知ってる程度の人も入れれば、結構な人数の知合いが写っていたはず。もちろんエキストラだから、どこにいるかなんてわからないけどね…
* * * * * * * * * * * * * *
やっと内容に移ろう。
まず、思った以上にけんちゃんの英語がうまかった。
トムの日本語よりはるかに…
そして、けんちゃんや真田広之が、日本人が見ておかしくないよう、いっぱい口を出したという意味がわかりました。
日本でこれを見た人は、日本では当たり前な、時代劇なんかで比較的馴染み深いシーンについて、何の違和感もなかっただろう。
でも、ハリウッド映画が、日本人からみて、こうやってそれほど違和感がない様にできたというのは、実は驚くべきことなのだ。
日本人は気づきにくいかもしれないが、トムがサムライと会って、その世界に驚く姿は、”先進国”がインディアンや、未開のアフリカ民族やに出会って驚く、要するにウルルン滞在記的な驚きや興味と一緒なのだ。今回は、日本人がその対象なだけで。
そういうわけで、ハリウッド(西洋文化)側からすれば、サムライとか武士道とかいうものは、結局は博物学的な対象でしかないし、彼らなりの解釈で作った場合、うちらにはB級映画も真っ青の代物になること間違いなかったと思う。こちらで日本ぽいものが何かしら出てくる映画を見るたび、もう失笑というか、苦笑というか、嘲笑というか、とにかく笑うしかないというものに出会うことが、あまりに多いことを考えると。
そう考えると、ハリウッド映画なのにもかかわらず、あそこまでちゃんとした、失笑なしにこの国で見られた映画だったということにまず感動した。
けんちゃんも真田広之もよかったし…
トムも、だいぶ練習したとあって、マトリックスのキアヌの空手モドキよりはずっとよかった。
セリフでどうしても納得いかなかったのが1つ。
日本ではもちろん英語部分に字幕がついて、日本語はそのままなんだろうけど、こっちでは当然英語がそのままで、日本語に字幕がつく。
けんちゃんが、最後の戦いの前に、天皇の前を退出させられた後、身柄を拘束されて、切腹をすすめられるシーンがある。日本語では、これを使って腹きりすれば、みたいなセリフだった(確か)けど、この英語字幕が”Save our time”だったのが絶対おかしい!
”Save our time”-「私たちの時間を節約してくれ」、即ちこっちに面倒かけないで、勝手に死んでくれ、という英語訳なんだけど、おかしいでしょ、それは!
基本的に切腹させてくれるというのは名誉なことなわけで、そうでなければ、身柄を拘束してる人に武器になる刀を渡すなんて危険なことするはずがないのに、それで勝手に死ね、なんてセリフでいいの?
それ以外は、日本文化について、日本の剣や武道が、戦いのためのモノだけじゃなくて、精神のためのものなんだよ、ということがちゃんと描かれていてとてもよかった。
ガイジンで柔道や剣道をやってる人に是非見て欲しいかも。
あと一点、仕方がないんだけど、外の風景が、私たちには、どうしてもタラナキだった…あのNZ特有のシダがね…
NZの山の風景は時々ほんとに日本にそっくりなことがあるが、常々違うと思うのがシダ。NZはシダで有名で、オールブラックスの胸についている羽のようなシルバーファーンもNZを代表する裏が銀色に光るシダ。
NZのシダは、日本と違って、やしの木のように上に向かって伸びるので木々の間からにょきにょき生えている。
まだ見てない人は、あちこちに山のシーンで、写りまくりのシダを見てみて下さい。あれが、冬の気温があまり下がらないNZと、日本の自然の違いの、一番目立つ証拠かも。
[追記]
あとどうしてももう一点!
どうして日本人女性が出てくるアメリカ映画では、必ずと言っていいほど日本人女性に、男の服を脱がさせずにはいられないんだろう…
これだけは、アメリカ人の幻想なんだと思います。日本女性は男の服をああして丁寧に脱がせてくれるという…
あまりにも、日本人女性×ガイジン男性のそういうシーンがある場合は、100%に近く女が男を脱がすので、今回はHシーンではなく鎧をつけさせるためだったにせよ、小雪がトムを脱がせ始めた時に、だんなと2人で「やっぱりかーーーっっ」とのけぞってしまいました…ほんとに100%だな…
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